そもそも確定日付ってなに?どんな効果があるの?
確定日付とは、公証役場等がこの日に、その証書が確かに存在していましたと文書に確定日付印を押印して証明することです。具体的には、その日に特定の証書に押印した日付を指します。
確定日付が付与されていれば、その文書がその日に存在していたと確実に証明できるため、作成日付の争いや作成日付の偽装などのさまざまな文書の作成日に関係するトラブルを未然に防止する効果があります。
どんな人が何に使うの?
契約関係の当事者:
契約書や取引の際に、特定の日付が重要な意味を持つ場合、確定日付を証明することで、後から日付を変更されないようにします。たとえば、金銭消費貸借契約や不動産売買契約などで利用されます。
債権者や債務者:
債権の譲渡や承諾には確定日付の付与された証書が必要です。これによって、第三者に対抗(主張)できます。同様に、債権質においても確定日付の付与された証書が必要になります。(公正証書や私署証書に比べて安価に作成できます)
ビジネス関係者:
会社の設立や解散、株式の譲渡など、法的な手続きにおいても確定日付が重要です。
どんな文書でも確定日付の印を押してもらえるの?
「私文書」に限定されます。公文書(政府や官庁、地方公共団体の公務員が職務上その権限に基づき作成した文書)はその作成した日が確定日付になりますので、公証人は確定日付を付与することができません。
例えば、不動産登記事項証明書や閉鎖謄本は、公務員である登記官が職務上その権限に基づいて作成するものですから、その証明書に記載された作成日付が確定日付となり、公証人はこれに確定日付を付与することはできません。
「私文書」とは、文字その他の記号により、意見、観念または思想的意味を表示したものであることが必要です。
図面や写真はそれ自体は、意見、観念等を表示しているとは言えませんので、それ自体に確定日付を付することはできませんが、それらを台紙に貼って割印し、台紙に撮影の日時や場所等のデータを記入した証明文を記載して記名押印する方法で私署証書とした場合には、これに確定日付を付与することができます。
文書のコピーそれ自体には、確定日付を押印することはできません。ですがこの場合は、そのコピー上に写しを作成した旨を記載するか、または、同様の説明文言を表示する証書を添付するなどして割り印し、それらの説明文書に確定日付を付与することになります。
内容が違法な文書や違法な目的に悪用される恐れのある文書は当然ながら確定日付を付与することはできません。
割り印がなかったり契約書に印環がなかったり、形式上完成していない未完成な文書もそのままでは確定日付を付与することはできません。
原則として作成年月日と作成者の署名または記名押印が必要になります。
署名または記名は、氏名をフルネームで記載する必要はなく、氏または名のみでもよく、通称、商号、雅号、仮名でも差し支えありません。
(注)自筆証書遺言には確定日付を付与することはできません。自筆証書遺言は遺言者が日付を自署することが要件であり(民法第968条第1項)、重ねて確定日付を付与することは無意味であり、無用な誤解を生じさせるおそれがあるためです。
どんな手続きで確定日付を取得するの?
確定日付の付与を受けたい文書を持参し、公証役場や法務局で「確定日付の押印ください」と請求手続きをおこないます。管轄はありませんので最寄りの公証役場や法務局で請求が可能です。また確定日付の年月日は、請求当日の年月日となります。請求日の翌日や過去の確定日付印を求めることはできません。
料金はいくらなの?
公証役場手数料を1件あたり700円支払うことで、どなたでも取得できます。
多忙な方、病気や事故などいろいろな事情でご自分で付与の請求ができないとお考えの方へ、当事務所では確定日付の取得を代行いたします。お気軽にご相談ください。