不動産登記簿の読み方

 不動産を扱う農地転用許可(届出)では、添付書類として必ず登記事項証明書や公図が求められます。そのため、不動産登記についての基本的な知識も身に着けておく必要があります。

 不動産登記法を根拠に作成され、全国各地の法務局及びその支局・出張所に備えられている登記記録ですが、大きく表題部と権利部に分かれています。
 表題部はその不動産の物理的な現況、権利部は所有権に関する事項(甲区)と所有権以外の権利に関する事項(乙区)に分かれています。

 登記記録を読む際にまず念頭に置くべきことは、登記記録の、特に表題部は最近作成されたり変更・更生されたものでない限りは、現況を正確に示していない、ということです。
 現に存在する建物の登記記録がなかったり、とうに取り壊してしている建物の登記記録が残っていることがあります。建物の登記記録の表題部に示されている床面積も、古い建物ではあてになりません。

 土地の登記記録についても、地籍が広いほどかかる税金も高くなることから、登記簿の前身である旧土地台帳が作られた際に地籍を少なく申告されたものがそのまま引き継がれており、過去に測量をしたことがない土地を測量すると、地籍が増えるケースがほとんどです。また、登記地目についても現況が変更されても、申請しないと登記上は変更されないため、現況を反映していないことが多々あります。

このことは、権利部についても同様で、所有者の住所変更や相続登記がされていないことはよくあります。
 なので登記事項証明書には、それなりの証明力があるものの、万能には程遠いことを理解する必要があります。

今回は以上になります。ありがとうございました。

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