電力会社による高圧送電線地役権が設定されていた場合

農地転用したい土地の登記事項証明書の権利部(乙区)に地役権設定と書かれている場合があります。
これは電力会社が高圧送電線と建物の間に一定の距離を置き、電線を通過する土地の安全を確保するためです。

農地転用をしたい土地に地役権がくっついていると、その地役権設定土地について権利者(この場合は電力会社)の
農地転用同意書を発行してもらわなければいけません。

同意書発行の流れは以下のとうりです。
1 対象土地の所管箇所確認

対象とする農地が電力会社のどこの地域の管轄か調べます。電力会社に直接電話してもメールでも構いません。

2 同意書発行の依頼書を提出

依頼書の様式は電力会社のHPで入手可能です。公開されてなければ担当部署に電話かメールで問い合わせましょう。

必要書類を揃えます。主な書類は次のとうりです。
①位置図
②付近図
③公図
④地役権図面
⑤農業委員会への申請書の写し
⑥全部事項証明書(3か月以内のもの)
⑦計画図面(配置図、平面図、立面図等)
⑧権利者の同意(申請者と土地所有者が異なる場合)
⑨委任状

上記のうち、①位置図、②付近図は住宅地図やグーグルマップ等を利用します。
③公図、④地役権図面、⑥全部事項証明書は法務局や登記情報提供サービスを利用します。
⑨委任状は農地転用の委任状ではなく同意書発行の委任状になります。

3 設備所管箇所による計画の確認

4 同意書発行の手続き

「同意書発行の依頼書を提出」から「同意書発行の手続き」を経て実際に同意書が手元に届くまでおおよそ1か月から1か月半ぐらいかかります。

また、書類が全部そろわなくても、そろっているものから順次送ることも可能です。その場合は担当部署の方と密に連絡を取ることが必要になります。

今回は以上になります。ありがとうございました。

→「行政書士古川元一事務所