大都市近郊に設定されている市街化調整区域での農地転用許可において、建物の建築を目的とする場合に同時にクリアしなければならないのが、都市計画法の規制です。市街化調整区域は、同法によって建物の建築が原則禁止されている地域ですが、建築が可能な建物もあります。
では、市街化調整区域ではどのような建物であれば建築可能なのでしょうか?
1 都市計画法第34条第1号
都市計画法第34条には、市街化調整区域で建築が可能な建物の種類が列挙されています。中でも、第1号は「当該開発地域の周辺の地域において居住している者の利用に供する政令で定める公益上必要な建築物又はこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物」と非常に広い範囲の建物の建築が可能なように読み取れます。
「公益上必要な建築物」とは?
都市計画法第34条第1号の「公益上必要な建築物」は、都市計画法施行令第29条の5(実際には第26条第26号イからハ)に挙げられています。大雑把に分けると
・小中学校や幼稚園などの学校
・保育園や学童、介護施設などの社会福祉施設
・診療所や助産所
といった建築物です。
市街化調整区域の環境を損ねないために、敷地面積には制限が設けられていることがあります。
「日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場」とは?
こちらは、小売業(小さな商店やコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなど)、飲食店、サービス業(理美容店やマッサージ店など)、学習塾といった日常生活に必要な地域密着型の小規模店舗を指しますが、都市計画施行令には細かく規定がないため、業種は都道府県や特定都市ごとに定められています。
基本的に自営を想定していますので、業を営む者が土地を借りる前提で申請することはできますが、貸店舗を建築するための申請はできません。
また、敷地面積や建物の延床面積と高さに制限が設けられていますので、大規模なものは建築ができません。その他、周辺の都市化の程度が要件となっています。
今回は以上になります。ありがとうございました。
→「行政書士古川元一事務所」