農業には、農業用水こそ必要なものの、雨水は原則自然浸透したり農業用水路へと流れるために、農地については、特別に雨水の排水施設を整える必要はあまりありません。
しかし、農地の転用に伴って土地を締め固めたり舗装することで、今までは自然に流れていた雨水の流れが変わり、その結果周辺の土地に被害を及ぼすことがあります。
そのようなことがないように農地の転用の許可の際は、敷地に降り注ぐ雨水の処理方法についてのチェックが必ず入ります。
転用後の土地に降り注いだ雨水については、転用した敷地内で集水し、市街地の宅地のように道路側溝などの公共の排水施設まで運ぶのが原則です。
しかし、農地の前の道路には道路側溝が走っていなかったり、走っていても道路の反対側のみにしか走っていないということがあります。このような際に必要になるのが、道路や水路についての手続きです。
具体的には、道路の下に排水管を通して、反対側の道路側溝へ流すために部分的に私的に道路を使用するための「道路占用許可」や、側溝のない道路に側溝を敷設する工事をするための「道路工事承認申請」、側溝への排水ができない際に、付近の公共水路へと排水するための「水路占用許可」や「公共用物使用許可」といった申請が必要となります。
これらの手続きには、排水管や側溝の工事に関する具体的な情報が必要になりますが、農地転用許可が許可されて初めて着工ができるため、実際の工事の段取りは許可が下りてから、ということが多いのが実情です。
農地転用許可の申請段階でこれらの情報を手にいれることは難しいのですが、これらの工事はおおよそパターンが決まっています。
市街化調整区域で都市計画法の許可を受ける際などは、これらの手続きが完了していないと許可が下りないケースが多いので、転用する土地に接する道路に立派な側溝が入っていない場合は、基本的に必要なものとして考えます。
①道路・水路の手続きが必要であるかどうかの確認
②申請書・添付書類の収集と作成
③申請と許可証の受け取り
④着手届や完了届の提出
が必要な作業になります
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今回は以上になります。ありがとうございました。